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オンライン服薬指導の要件を「0410対応」と「2022年改正薬機法」の違いを踏まえ解説

2022年08月22日

オンライン服薬指導の要件を「0410対応」と「2022年改正薬機法」の違いを踏まえ解説画像

こんにちは、Pharms事務局です。
当記事では、オンライン服薬指導の変遷と、改正薬機法と0410対応の違いについて解説しております。

本記事の内容はこちらの資料にもまとめております。

1. そもそもオンライン服薬指導(遠隔服薬指導)とは

オンライン服薬指導とは、通信機器を活用して薬剤師が患者の状態を確認しながら行う服薬指導のことです(遠隔服薬指導と呼ばれることもあります)。
医薬品を処方する際には、薬剤師が対面による服薬指導を行うことが原則とされてきました。しかし2015年、医療機関や薬局といった医療資源が乏しい離島、へき地の遠隔診療のニーズへ対応するために、国家戦略特区など一部の地域限定で実証実験が開始されると、2019年に成立した改正薬機法により全国で実施が可能となりました。
改正薬機法は2020年9月の施行を予定しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によりオンライン診療・服薬指導のニーズが高まったことを受け、厚生労働省から時限的にオンライン服薬指導を解禁する「0410対応」(0410通知)が発出され、2020年4月に当初の予定よりも前倒しでの解禁がなされました。

▼オンライン服薬指導の解禁までの流れ
オンライン服薬指導解禁までの流れ
上記の通り、2020年9月に解禁されたオンライン服薬指導ですが、2021年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」にて診療から服薬指導までをオンラインで一気通貫で行える状態を目指すことが方針として示されました。
これをもとに、2022年3月31日厚生労働省から「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(以下「22年4月改正省令」という。)が公布され同日施行されました。22年4月改正省令では、これまで制限されていた対面診療を実施した患者への実施や初めて利用するお薬での実施が可能となったこと等、多くの規制が緩和されました。

また、オンライン服薬指導とともに、オンライン診療についても大きな規制緩和が行われました。
令和4年度診療報酬改定では、報酬引き上げが行われました。そのほか「初診は対面が原則」という考えを見直し初診でも実施が可能になる等、ガイドライン(「オンライン診療の適切な実施に関する指針」)が改定されており、今後の普及が期待されています。

よく読まれているおすすめ資料:オンライン服薬指導完全ガイドブック

2. 改正薬機法と0410対応の内容と両者の違い

22年4月改正省令が施行された一方で、新型コロナウイルス感染症における時限的・特例的な取り扱い(通称:0410対応)は継続されることとなり、2022年8月22日現在も2つのルールが並行しています。
ここでは、この二つの法制度の概要とその違いを解説します。

実施要件の違い

22年4月改正省令における実施要件は、0410対応のルールをほぼスライドしたものとなっています。
改正前後および0410対応との違いとして押さえておきたいポイントは下記の5つです。

1) 初回から薬剤師の判断と責任に基づき、オンライン服薬指導の実施が可能
2) 同一の薬剤師である必要はない
3) 診療内容は問わない
4) 原則として全ての薬剤が対象
5) 服薬指導計画書の作成は不要

▼オンライン服薬指導の実施要件

※引用元:「令和4年度調剤報酬改定の概要(調剤)_オンライン服薬指導に係るルールの改定について」をもとにメドレーが作成

②調剤報酬の違い

調剤報酬の違いとして、押さえておきたいポイントは下記2点です。

1)オンライン服薬指導が対面服薬指導と同等の要件に

「薬剤服用歴管理指導料4」とされていたものが、「服薬管理指導料4」へと名称変更され、点数や要件、施設基準の変更がありました。これにより、対面服薬指導と同等の要件となりました。

  • 各種加算点数の算定不可 → 削除
  • 厚生局への届出が必要 → 削除
  • 1ヶ月の算定回数の合計に占めるオンライン服薬指導の割合は1割以下 → 削除
  • 服薬指導計画書の作成が必要 → 削除
  • 原則3ヶ月以内に対面での服薬指導を実施した患者であること → 削除


※引用元:「令和4年度調剤報酬改定の概要(調剤)

2)0410対応と現行の調剤報酬との、算定点数の違い

算定する項目は服薬指導の実施手段によって、異なります。

  • 電話で服薬指導を行なう場合は、0410対応に則った対応が必要となり、旧調剤報酬点数表における薬剤服用歴管理指導料の算定となります。
  • 情報通信機器(テレビ電話)を用いた服薬指導を行う場合は、現行の薬機法や服薬管理指導料4の算定要件に則った対応が必要となります。

すなわち、0410対応で電話服薬指導を実施した場合は、オンライン服薬指導時に算定する服薬管理指導料4よりも2点少ない算定となります。

※引用元:新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その69)

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3. オンライン服薬指導のフロー

法制度に続いて、オンライン服薬指導を実施する際のフローについて弊社のかかりつけ薬局支援システム「Pharms」と患者アプリ「CLINICS」を活用した例を元に解説いたします。

①診療の実施

病院・診療所にて診療を実施された患者様は、対面服薬指導かオンライン服薬指導かを選択することができます。患者様がオンライン服薬指導を希望されたら、病院・診療所は処方箋をアプリ(CLINICS)にアップロードをします。
その後、患者様は希望する調剤薬局へ処方箋を送ることができる状態になります。

②処方箋の受付

アプリ上で処方箋を受け取った患者様はアプリから検索して希望する調剤薬局へオンライン服薬指導を申し込みます。お申し込みを受けた調剤薬局は、医療機関がアップロードした処方箋と保険証画像、問診データを受け取り、受付を行います(処方箋の原本は後日受領する必要があります)。
処方箋の受付

③オンライン服薬指導

予約の受付が完了したら、対面時の業務と同様に処方箋の内容を確認し、レセプト入力、ピッキングを行います。薬の準備が整い、受付の時間になったらシステムからビデオ通話を開始し、対面と同じ要領で患者へ服薬指導を行います。
オンライン服薬指導

④会計

服薬指導の完了後、患者様ご負担額と配送料をシステムに登録すると、予め登録されている患者様のクレジットカードで決済が行われます。
会計

⑤配送

最後にお薬を梱包し配送業者へ配送を依頼すれば、オンライン服薬指導は完了となります。
配送

4. まとめ

オンライン服薬指導は2020年の解禁後もそのあり方や仕組みについて積極的な議論が交わされてきました。
オンライン服薬指導は、医療のオンライン化の一環として2015年の日本再興戦略や内閣府が掲げる Society5.0の施策として始まりました。その後、2020年4月に特例措置として0410通知が発出され、2020年9月に正式解禁。そして2022年4月改正省令にてルール改定がなされ、着々と進化・推進が進められています。

上記のように国が推進をしているオンライン診療・オンライン服薬指導ですが、新型コロナウイルス感染症の収束がまだまだ見えない中、患者ニーズも増えておりオンライン服薬指導のシステム導入をご検討されている薬局様もいらっしゃるのではないでしょうか。
システム導入の際にチェックすべきポイントを以下記事にまとめておりますので、ご興味がある方はぜひご参考にしていただけますと幸いです。

おすすめ記事:オンライン服薬指導ツール・システムを比較するときにチェックすべき3つのポイント

執筆者情報

宝 真生

調剤併設ドラッグストアにて薬剤師として調剤業務、在宅医療(個人宅、施設)、OTCやサプリメントのカウンセリング業務を経験。
その後、施設在宅に特化した薬局法人にて新規店舗の業務フロー構築や往診同行を中心に行う。
2020年、Pharms立ち上げのタイミングでメドレーへジョイン。
現在は全国の薬局法人へ向けてPharmsの紹介を行っている。

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