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トレーシングレポートの記入例〜医師に聞いた、期待する内容とは?〜

2023年06月21日

トレーシングレポートの記入例〜医師に聞いた、期待する内容とは?〜画像

こんにちは、Pharms事務局です。
当記事では、現役クリニック医師や医院長へのインタビューを元にした、医師が求めるトレーシングレポートの内容と、実際のトレーシングレポートの記入例をご紹介いたします。

本記事の内容はこちらの資料にもまとまっております。
▶︎医師が期待するトレーシングレポートとは

1.他職種間及び病院・薬局の薬剤師同士の連携の重要性が高まっている

急速な高齢化が進む今日、2025年までの地域包括ケアシステムの体制構築を見据え、地域医療への薬剤師の貢献がより一層求められています。
実際に、2021年には、地域連携薬局の認定制度が開始。2022年の診療報酬改定では、地域支援体制加算が新設されました。更に、6/16に閣議決定された「骨太の方針※」内でも地域包括ケアの重要性が明記されています。

※参考情報:厚生労働省「経済財政運営と改革の基本方針 2023 について

地域医療への参画を進める上で、重要になるのが多職種間での情報共有・連携です。
今回は、医薬連携の中でも最も身近で全ての薬剤師が実施する機会のある、医療機関への文書での情報提供(トレーシングレポート)に注目し、現役クリニック医師や医院長へのインタビューを元にした、医師が求めるトレーシングレポートの内容と、実際のトレーシングレポートの記入例をご紹介いたします。

2.トレーシングレポートとは

トレーシングレポートとは、保険薬局の薬剤師が得た情報を処方医に伝えるための文書であり、「即時性・緊急性は低いものの、処方医に伝える必要がある」と薬局薬剤師が判断した場合に作成し、情報提供するものです。
また、服薬指導や服用期間中のフォローアップの結果を適切に医師等に共有することで患者の治療に貢献するための重要な手段であり、様々な加算の算定要件になっています。

関連記事:服薬情報等提供料とは?算定要件とトレーシングレポートの留意点

3.患者の治療に貢献するトレーシングレポートとは

実際にクリニックの医師・医院長に、トレーシングレポートがどのように患者の治療に貢献しているのかをインタビューしたところ、以下3つのポイントにまとめられました。

①アドヒアランスの改善

服薬状況を確認、剤形や薬物動態を考慮し提案することで、アドヒアランスの改善に繋げることができた

②安全な治療の実施・継続

副作用や副作用リスクの報告、他病院からの情報などを提供することで、安全な治療の実施・継続に繋げることができた

③ポリファーマシーの解消

複数医療機関での同効薬の処方や残薬報告による処方内容・処方日数の検討に繋げることができた

4.医師が期待するトレーシングレポートの内容と記入例

では、具体的にどのような内容を患者に確認し、医師に報告したら良いのでしょうか。
実際に内科を中心とした複数のクリニックの医師に「診療に有用だったトレーシングレポートの内容」及び「今後、どんな服薬情報提供を期待しているか?」について伺いました。

ここでは、服薬フォローアップによる服薬状況確認への患者の回答事例と、インタビューを元にしたトレーシングレポートの記入例をご紹介します。

以下トレーシングレポートの記入例は、PDFでもまとめてご覧いただけます。(以下以外の例もございます)
資料「医師が期待するトレーシングレポートとは」をダウンロード


a.患者の服用状況が芳しくない場合


b.患者に副作用が疑われる症状がある場合


c.その他の問題が疑われる場合

今回インタビューにご協力いただいた医師全員から「患者の治療をすすめるにあたって必要な情報については是非情報提供してほしい」とのご意見をいただきました。
さらに、「疑義照会等で医師とのコミュニケーションに抵抗感を感じている方もいるかもしれないが、患者のためになる情報は求めている。必要な情報は提供して欲しいし連携したいと思っている」という意見もありました。

実際にトレーシングレポートを活用した連携に取り組まれている薬局様からは「患者様が悩んでいることや、患者様を主語に伝えることで、医師から理解を得やすくなった。」というお声もいただいています。

5.情報提供につなげるための患者情報の確認方法

上記のような情報提供をするために必要な患者の状況把握は、以下2つのアプローチが有効です。

①服薬指導のタイミングでのヒアリング

指導時に判明した緊急・重大な内容に関しては疑義照会をしますが、緊急性は低いが医師へ伝えるべき重要な情報はトレーシングレポートとして共有します。
(例:残薬調整や緊急を要さない処方提案(剤形や内服タイミングを含む)提案など)
投薬時の状況を元にした処方提案や確認を実施した場合は、報告とともにフォローアップを実施している旨を伝えることも有効です。

②服薬フォローアップ

患者が治療を開始してから、次回診察までの間に患者の容態は変化します。実際に記入例でも記載の通り、服用タイミングに関する相談や、副作用症状の有無などを服用中に確認することで、適切なタイミングでの患者対応、医療機関への情報提供に繋げることが可能です。
患者等に確認を行う手段としては、対面(来局・訪問)や電話がありますが、最近では電話をかけること・受けることの薬剤師・患者双方の負担を鑑み、電話以外の手段としてICTの活用を進めている薬局様が増えています。
弊社では、ICTが苦手な患者様でも比較的使いやすい手段を考え、かかりつけ薬局支援システムPharmsの機能の一つとして、SMS(ショートメッセージ)を使ったフォローアップ機能及びトレーシングレポート作成機能を提供しております。
患者が持つ携帯電話番号へSMSを送る形になるため、患者はアプリなどの事前登録が不要で、初めてフォローアップを実施される薬剤師の方でも利用しやすい仕組みになっています。

6.最後に

地域医療への関わりを進める第一歩である医療機関への情報提供。本記事や弊社サービスが薬局の皆様の業務のお力になれば幸いです。

<アプリなどの事前登録不要での服薬フォローアップ実施にご興味がある方はこちら>
▶︎Pharmsを使った服薬フォローアップ

<トレーシングレポートの記入例をもっと見たい方はこちら>
▶︎医師が期待するトレーシングレポートとは

<服薬フォローアップ実施をより進めていきたい方はこちら>
▶︎服薬フォローアップ実践ガイド〜始める前に知っておきたい!先行事例から見えた連絡手段別の課題と解決策〜
▶︎すぐ使える服薬フォローアップの成果を最大化するワークシート

本記事の執筆者

株式会社メドレー Pharms事務局
調剤薬局の皆さまに向けて、法制度やトレンド情報の解説などのお役立ち情報を、薬局様からのリアルなお声も基にし発信しております。
Pharmsは全国12,000店舗以上の調剤薬局にご導入いただいており、患者や医療機関との繋がりを強化し選ばれ続ける薬局に向けたご支援をしております。

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