「自分の健康を後回しにしてしまう」人たちにオンライン医療が良い入口になる
2024年10月22日
宮城県仙台市にN9薬局を構え、訪問看護ステーションや産前産後ケアサービスを展開する株式会社ピースコネクト様。
取締役として参画、そして代表取締役に就任された岡本様に、15年勤めた前職の調剤薬局法人からのチャレンジの背景や、薬局およびグループ企業を通した取り組み、そしてその中でのオンライン医療の位置付けや活用についてお伺いしました。
※以下より他の事例もまとめてご覧いただけます。ご参考になりますと幸いです。
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目次
1.医療だけでなく様々な角度で地域を支えるピースコネクト社
--元々岡本様は別な調剤薬局法人で役員もされていたと伺いました。ピースコネクトにご参画されたきっかけはなんだったのでしょうか?
元々将来的には静岡で薬局をやろうと思っていて、前職の福島にいるのは10年くらいと家族と約束していたのですが、気づいたら15年経っていました。笑
仕事内容や周りとの関係性も良く居心地がよかったのですが、ふと10年後、50代になった時に、ずっと薬局の中だけにいる自分で本当に視野を広く持てているか、やりたいことができているか、ということを考えたんですね。
そんな中で現職グループのCOOからお誘いをいただいて。前職とは違い、医療関係者ではなく住宅や保険などの領域でトップ営業マンとして、いろんな企業の課題解決をしていた方がいる環境で、そういう環境で自分の医療的知識がコネクトされるとどんなものが生まれるのかなと興味をもちました。
10年後20年後を考えた時に、医療関係者だけでなくもっと他業種の方達と密接に関わり合いながら、医療の可能性を広げていくことにチャレンジしたいなと感じて決断しました。仙台に行くことに不安もありましたが、家族がこの選択を喜んでくれたことが最も後押ししてくれた要因です。
ーーN9薬局はピースコネクトとして1店舗目の薬局の開局かと思いますが、背景を教えてください。
グループ全体として「地域産業と地域医療、その発展に寄与する」という経営理念のもと「一家に一人、一法人に一人、専門家を」というビジョンを掲げ、人の一生のサイクルの中で出てくるお悩みや課題を解決していくために必要な事業を展開しており、その中でやはり医療は切り離せないものであると考えています。
まずは産後ケアからスタートして、その後に訪問看護、看護の次は薬が必要だろうということでN9薬局ができました。
2.オンライン医療は私たちにとって必要なピースだった
ーーPharmsは開局当初からご導入いただいておりますが、きっかけを教えてください。
元々は弊社グループのコンサル企業がクリニックを顧問先として持つことが多いため、医薬間で連携しながら患者さんの健康管理を行なえる薬局となることを目指していました。
その場合、オンライン診療とオンライン服薬指導で同じ企業のシステムを使用する方が連携が取りやすいと考えて、クリニック側のCLINICSオンライン診療とつながる、薬局向けシステムのPharmsに問い合わせをしました。
ーーでは開局当初からオンラインの機能を持とうとお考えだったのですね。
薬局として、地域の方々でも特に「自分の健康に関して相談したいけどいつも利用している薬局だと相談できない」といったような、健康になることを求めている方に利用いただけるようにしたいと考えています。
また弊社グループのクライアントの方々や社員の健康をサポートするという目的もありまして、当グループが企業コンサルからスタートした会社のため、経営者との繋がりが全国にあり、普段忙しく病院にいく時間がない方へ必要な医療を届けることもやっていきたい。
そうなった時に地域の方々の処方箋だけで経営を成り立たせるのはかなり無理がある、かつ全国にいる多忙な経営者や社員の健康のサポートもしたい、だからこそオンライン医療は私たちにとって必要なピースだったんですよね。
3.CLINICSアプリでのオンライン診療からオンライン服薬指導、薬受け取りまでの「楽さ」が医療への良い入り口になる
ーー以前岡本様が弊社CLINICSアプリを使って、オンライン診療からオンライン服薬指導までを実際に受けた際に、「快感だった」とコメントをいただきましたが、ぜひ詳しく教えてください。
CLINICSアプリでオンライン診療からオンライン服薬指導、薬をもらうまでの流れを自宅でやってみたらとてもスムーズで、普段の診療から薬をもらうまでの流れと比べて「すごく楽になった」と感動しました。
一つのアプリで一連の流れを完結できるのは、やはり楽ですよね。
「楽」と感じることは、医療体験の一部として重要な要素だと考えています。
特に私たちがサポートしている経営者の方や働いてる方、子育て中の方など、時間がなく診察から薬を受け取るまでにかかる時間がもったいないと感じる人が多くいると思います。そういった「自分の健康を後回しにしてしまう」人たちにオンラインという手段があることで、医療への良い入口になると考えています。
実際に患者さんに使ってもらうとすごく便利と言っていただけますね。
例えば体調不良のお母さんがベッドから診察や服薬指導が受けられて、薬もすぐに届けてくれるので有り難いとご好評いただいてます。
オンライン医療が、社会にとって当たり前の選択肢になって欲しいですし、弊社としても進めていきたいですね。
ーー弊社としても、導入医療機関やアプリユーザーの増加に向けて、今後も取り組んで参りますので、ご期待いただければと思います。
以前「CLINICSアプリを元々使っていて、N9薬局さんを見つけたから予約しました」という患者様もいらっしゃいました。
また近くですと、東北大学病院がメドレーのCLINICSオンライン診療を導入しているようですが、仙台のクリック/診療所にももっと導入してもらいたいですね。
▼CLINICSアプリユーザーの増加に向けたメドレーの取り組みをご紹介
・患者向け総合医療アプリ「CLINICS」で処方薬の当日配達を開始 〜Uber Eats との連携で、オンライン診療・服薬指導後に全国のPharms導入薬局を通じた即時配送が可能に〜
・オンライン診療で「Amazonファーマシー」とサービス連携を開始 〜Amazonショッピングアプリを通じて、オンライン診療の利用拡大を目指す〜
4.調剤薬局の枠を超えて薬剤師としての知識を活用したサポートも
ーーN9薬局は特定の医療機関が近隣になく面対応の薬局とのことですが、集患の観点や来局される患者様へはどのような取り組みを行なっているのですか?
地域の方に関しては、まずは来てくださる患者様へ待ち時間を少なくする便利な処方箋ネット受付を案内したり、他の薬局でもらっている薬を一元管理できるご提案をしたりなど、再来いただけるような案内をしています。
加えてドクターの治療方針に沿った情報をお伝えしつつ、自分たちが本当に伝えたいお薬の使い方や栄養の話など、よりこうした方が良いのではというご提案をはっきりと伝えています。
それがきっかけで患者さんからの信頼を得られると、他科の処方箋を持ってきてくれたり、自立支援の患者さんが気づいたらうちの薬局を指定薬局にしてくださったり、相談をしてくださる方が少しずつ増えてきたりと、そういったことに繋がってるなと思います。
薬局の2階にグループ企業のカフェスペースもあって、お薬を渡した後にゆっくり相談に乗ったりしています。
またカフェスペースでは薬に関するセミナーを開催したり、子育て支援をされている団体の方々のイベントなどにも活用いただいていて、その中で私たちが薬のセミナーをやったり、インスタやLINEのお友達登録をしてもらって、情報が届きやすい環境を作らせてもらったりしています。
薬局を知っていただく良い機会でもありますし、薬剤師がどういう知識を持っていて、どういうサポートができるかを知っていただく機会になっているかなと思います。
ーー薬剤師がどんなことができるか、どんなことで薬剤師さんを頼って良いのかを知る機会はなかなかないので、素敵な取り組みですね。
薬局の調剤カウンターでは長時間話される方もいるのですが、1秒でも早く薬局を出たいという人も多くなかなかゆっくり話せないので、イベントやカフェでは、調剤カウンターでは話せないことを話すことができると感じています。
その中で例えば普段聞けない薬に関する疑問点や、実はあまり薬は使いたくないなどの意見など、いろいろ伺えています。
そういった健康相談のこともそうですし、調剤カウンターでもご案内はしていますが、「CLINICSアプリというものを使って、オンライン診療からオンライン服薬指導というものができてUberEatsで当日配達もしてくれる」という便利な手段があるということをお伝えするなど、情報提供の場にもなっていますね。
Uber Eatsの配達サービス対応エリアとの連携により処方薬の当日配達が可能に
Pharmsの当日配達機能の詳細をみる
ーー岡本様はCPO(最高パフォーマンス責任者)として健康面からのパフォーマンス向上もミッションとされているとのことですが、社員の方の健康サポートはどんなことをされているのですか?
グループ企業の社員の健康マネジメントとして、Pharms/CLINICSアプリを使ったオンライン服薬指導や健康相談を実施しています。
現職に入社した当時、社内のメンバーは体調が悪い時はほとんど病院の受診はしないで、ドラッグストアで市販薬を買ってどうにかやり過ごしている人が多かったんですよね。市販薬の選び方もわからないから何となくで選んだり。
そこでセルフメディケーションとして、市販薬の選び方や使い方、受診勧奨など、判断の支援を社員にしたらすごく喜ばれました。
以前は周りに薬剤師が多かったのもあり、私としても今までにはない経験でしたし、社員の人たちとしても近くに医療者がいる経験はなくて。薬剤師がそういったセルフメディケーションの支援をするだけでも皆さんの健康には好影響で、こういった支援は普段医療と接点がない方たちへの接点づくりにつながると感じました。
また、健康相談としては、オーソモレキュラー栄養医学を用いた健康カウンセリングもしています。医療の専門家と健康の専門家は、必ずしも一致しません。それぞれが望むライフスタイルに合わせた、医療そして健康を届けるためにも、健康経営に関わるサポートも実施しています。
5.今後の展望
ーー最後に、貴社の今後の展望について教えてください。
引き続き、患者さんと医療との接点を広げていきたいと思います。その接点となるオンライン医療は今後も必須と考えており、メドレーさんの活動にも期待しつつ、私たちも広げていきたいですね。
そして医療を入口として、様々な方の課題解決を支援していければなと考えています。