かかりつけ薬局支援システム Pharms(ファームス)

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一人薬剤師から大型店舗まで、異なる環境でフォローアップを強化するポイントとは

2023年07月14日

一人薬剤師から大型店舗まで、異なる環境でフォローアップを強化するポイントとは画像

沖縄県を中心に13店舗を展開される南日本薬品株式会社(りんご薬局グループ)様は、Pharmsを全店舗で導入し、一人薬剤師・心療内科門前から薬剤師6名体制の大型店舗まで異なる環境で、服薬フォローアップの実践を進めてこられました。

Pharmsを全店舗で導入し活用を進める背景、異なる環境で成功させるコツについて伺いました。

※以下より他の事例もまとめてご覧いただけます。ご参考になりますと幸いです。
▶︎Pharms導入事例集を読む

南日本薬品株式会社のご紹介

  • 沖縄県を中心に13店舗を展開
  • 今回は以下の3名の方にお話を伺いました
    • 心療内科の門前/一人薬剤師の店舗 上間店の管理薬剤師 仲宗根様
    • 皮膚科・脳外科・内科の門前 広栄店の管理薬剤師で部長の森方様
    • 本部システム担当者 當銘様

1.オンライン服薬指導とフォローアップの体制を整えるためにPharmsを導入

當銘様:近隣のクリニックがオンライン診療を開始したことをきっかけにPharmsを知り、2021年4月に門前の薬局1店舗で導入を開始しました。その後、Pharmsが使いやすかったことや、服薬フォローアップが義務化され今後算定要件にも関わってくることも鑑み、オンライン服薬指導及びフォローアップの体制を構築するために、同年の9月に全店舗でPharmsを導入することにしました。

社内でも、店舗によって外来の人数、薬剤師の体制、診療科などにより特徴や状況は大きく異なります。全店舗でフォローアップの体制を作る上で、異なる状況の店舗でも実践できるように、総合病院の門前である宜野湾店、心療内科の門前である上間店、処方箋枚数が最も多い広栄店の3店舗を中心に体制構築をスタートすることにしました。

2.心療内科・一人薬剤師店舗でも始められるフォローアップの形

仲宗根様:上間店は心療内科クリニックの門前で、一人薬剤師の店舗です。新規の患者様を中心に、初回アンケートを活用しながらお声かけをしています。
今までもお電話でフォローアップを実施しようとしたことはあるのですが、タイミングが合わなかったり、人と話すのが苦手で電話に出てもらえなかったり、一人薬剤師のため時間をつくりにくいなどの課題がありました。
Pharmsで使えるSMS(ショートメッセージ)だと携帯電話番号さえ分かればフォローメッセージを送信でき、受け入れてくださる患者さんが増えたと感じています。

アプリ・会員登録不要でメッセージ送信が可能なPharmsを使った服薬フォローアップについて気になる方はこちら

3.患者様との距離が近くなった

仲宗根様:心を中々開いてくださらない患者様がいらっしゃったのですが、服薬指導時もフォローアップご案内時も殆ど反応がなく、どの様に関わるべきか悩んでいました。返事はないだろうなと、半分諦めながらもフォローアップのメッセージを送ったのですが、その方から「ありがとうございます」と返信があり、正直驚きつつも嬉しかったです。その後も、「この前は返事遅くなって失礼しました」など来局時に会話をする機会が増えフォローアップが良いきっかけとなりました。

また、ご高齢の親御さんに時々付き添いで来局されるご家族の方に、親御さんの症状やお一人での来局は難しいのではという旨のフォローメッセージをお送りしたところ、継続して付き添いいただけるようになりました。ご家族の方にとっても、家族の病状を考えるきっかけに繋がったのであれば嬉しいです。

実はフォローアップを開始してから、来局時や電話などで、患者様からのご相談を受ける機会も増えました。フォローアップは患者様との距離が近づくきっかけなんだと日々感じていますし、心療内科の患者様が多いかつ一人薬剤師だからこそ、SMSと電話を組み合わせ体制をつくるメリットがあると感じています。

4.多忙な店舗だからこそ、必要な方を見極めてフォローをする必要性がある

森方様:広栄店は処方箋枚数が多く、多忙な店舗の一つです。忙しい店舗でどのようにフォローアップ・対人業務を強化していくかが私たちの店舗の課題です。

患者様が多いので、全ての患者様にフォローを実施するのは正直難しいです。システム化し全員にフォローを実施する体制をつくるという考え方もあるかもしれませんが、本来のフォローアップの意義・薬剤師の役割を考えた際に、薬剤師がフォローが必要な人を正しく判断し、質を高めていくことが重要であると考えています。
実際に、風邪でも抗生物質によるアレルギーの懸念がある方は対象ですし、若年層でも喘息のデバイス変更時はアドヒアランスの留意が必要だと思います。また、薬剤の説明をあまり聞いてない、不安を抱えておられるなど、投薬している薬剤師が肌で感じる要素があります。だからこそ、方針や事例は示しながらも薬剤師個人の判断を大切にしています。

5.薬剤師6名体制、複数名だからこそできる情報共有・スキルアップの形

森方様:休みやシフトの関係で、必ずしも投薬者が患者様からのフォローアップの返信対応ができるとは限りません。そのため、投薬者が休みの際は、最初に返信に気づいた人が返信対応をし、店舗として対応するようにしています。

Pharmsでフォローアップを実施すると、他の薬剤師が実施したフォローアップの内容も確認することができます。他の薬剤師の視点を知ることで、「なるほど!」と参考になることも多く、「次は〇〇なフォローをしよう」など互いのモチベーション・スキルアップにつながっていると感じています。
元々、投薬時に気になったことや提案事項の相談など、話し合ったりノートに書いたりして薬局内で相談する体制をとってきました。フォローアップを始めたことで、治療について考えるきっかけもより一層増え、薬剤師同士の相談の機会がより増えましたね。

6.医療機関と連携し患者様をフォロー

森方様:近隣の皮膚科では、最近までステロイド外用剤についてはジェネリック不可の指定がされていました。時代も変わる中で、改めてジェネリック使用可否について医師に確認したところ、「添加物の変化による症状の変化がないかフォローを実施することで変更可能」と返答を得ることができました。患者様のフォローアップだけではなく、必要に応じた医療機関への情報提供も実施することにもつながっています。

7.フォローアップを薬局全体の標準業務として評価する体制

當銘様: モデル店舗で運用を進めた後、全店舗の管理薬剤師を集め活用事例の紹介や運用方法のポイントを周知する会を2回程開きました。フォローアップの意義を感じ実施してくれる薬局が少しずつ増えてきました。

更に、数ヶ月前から薬局長会議での報告事項の運用を始めており、その項目の一つにPharmsのフォローアップ件数を入れています。
報告項目は、3名の部長を中心に取り決め、薬局長会議で共有をしています。報告義務にすることで、各店舗が少しずつ意識するようになり、フォローアップの推進店舗以外でも実績が増えてきました。実際に、今では、モデル店舗に影響を受け取り組みを始めた店舗のフォローアップ件数がモデル店舗を超えてきています。

森方様:服薬フォローアップの報告体制は、店舗の状況の把握にもつながると感じています。
実施件数が多いから良い、少ないから悪いという判断ではなく、薬局の状況に合わせた体制ができているのかを確認できます。
例えば在宅中心の店舗であれば、外来患者様へのフォローアップ件数が少ないのは不思議ではないですよね。
一方、今後更に活用を進めていく中で、実施ができる/すべき店舗であるにも関わらず、フォローができていない場合は理由を確認した上で、対応を一緒に考えていくことが必要なのかなと思っています。

8.制度の改定方針を見据えて、フォローアップ・オンライン服薬指導の体制を整えていく必要性がある

森方様:全店舗でPharms導入を検討する際、実は社内での実績をもっとつくってから進めるべきではないかという意見もありました。勿論、実施する件数は重要なことだと思いますが、システムの導入は、薬剤師が業務内容の変化を理解できるという側面もあると思っています。
薬剤師は「薬を出すだけ」の時代はもう終わっていると思います。薬機法の改正内容をみれば、フォローアップの必要性やオンライン服薬指導の体制構築がなぜ必要なのか伝わると思いますが、実際全てのスタッフが法制度や背景を把握できているとは限りません。

Pharmsを導入し運用するための体制をつくることは、薬剤師の業務が変化し、服薬フォローアップやオンライン服薬指導の実施の重要性が増加していることを理解するきっかけになると思っています。

患者様が体調不良の際に、まず最初に薬局に相談しようと思っていただけるように、患者様からかかりつけ薬局・薬剤師として選んでいただけるようになるためにも、フォローアップの運用を継続していきたいと思っています。

仲宗根様:
フォローアップが義務化されたものの、一人薬剤師という限られた状況の中で、有効な実施方法が定まらずに悩んでいました。Pharmsが導入され、SMSでフォローが実施できるようになってから、患者様への説明もしやすく、「これでフォローアップが実施できる」と本当にほっと安心することができました。Pharmsがあったからフォローアップの取り組みを開始することができたと思っています。

當銘様:既に森方さんが言ってくれているのですが、患者様と薬剤師の距離は少しずつ近くなってきていると思っています。かかりつけ薬剤師を体現していくためには、服薬フォローアップなどの取り組みを継続していく必要があると思っており、その為に、早期からシステムを導入・活用しながら取り組みを始められたことは良かったと思っています。システム担当者として、現場と連携をしながら、今後も薬局の体制整備をサポートしていきたいと思います。


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