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令和3年度介護報酬改定でオンライン服薬指導が算定できるようになる意義とは?

2021年03月08日

令和3年度介護報酬改定でオンライン服薬指導が算定できるようになる意義とは? 画像

2025年問題を目前に在宅医療対応の必要性が高まる中、今後の薬局経営を考える上で重要な介護報酬。その介護報酬の中でオンライン服薬指導を行った場合の評価が新設され、在宅医療の選択肢が広がります。今回の介護報酬改定のポイントに加えて、在宅医療におい てオンライン服薬指導をどのように活用できるのか、メドレー所属の薬剤師が解説いたします。

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- 目次 -
1. 令和3年度介護報酬改定の概要
2. 介護報酬でオンライン服薬指導が算定できるようになる意義とは?
2-1. オンライン服薬指導導入によるメリット
2-2. オンライン服薬指導導入によるデメリット
2-3. オンライン服薬指導の想定活用ケース 

1.令和3年度介護報酬改定の概要

2021年1月18日に開かれた社会保障審議会・介護給付費分科会で令和3年度介護報酬改定の新たな単位数等が公表されました。主な事項は5つ提示されておりますが、その中でも薬局に関連する事項は「地域包括ケアシステムの推進」「制度の安定性・持続可能性の確保」「介護人材の確保・介護現場の革新 」の3つです。

(1) 地域包括ケアシステムの推進

主に2点あり、1点目は、居宅療養管理指導においていわゆる「社会的処方」に関する情報提供を、医師・歯科医師に対して行うことの努力義務が明確化されます。
2点目は、多職種との連携の必要性について居宅療養サービスの運営基準にも明示されるようになります。介護支援専門員等への必要な情報を提供することについて、居宅療養管理指導料の算定要件には明示されておりましたが、今後運営基準にも盛り込まれることとなります。

(2) 制度の安定性・持続可能性の確保

居宅療養管理指導の居住場所に応じた評価の見直しが図られます(下表)。サービス提供の状況や移動・滞在時間等の効率性から、単一建物居住者の人数がより少ないケースがより評価されるようになります。
 居宅療養管理指導の居住場所に応じた条件  

(3) 介護人材の確保・介護現場の革新

主に2点ありますが、1点目は、サービス担当者会議等の実施においてテレビ会議を利用して行うことが可能となる点です。感染防止や多職種連携を促進することが目的とされています。ただし、サービス利用者も参加する場合は利用者の同意が必要です。
2点目は、薬剤師が行う居宅療養管理指導について、オンライン服薬指導も評価対象となる点です。オンラインでの居宅療養管理指導は1回あたり45単位で、月1回まで算定が可能です。対象者は、在宅時医学総合管理料に規定する訪問診療の実施に伴い処方箋が交付された患者で、居宅療養管理指導費が月1回算定されている患者です。
 
この中でも、介護報酬においてもオンライン服薬指導が算定できるようになったことは在宅医療の需要増加に対応していく上で大きな一歩だと考えています。もちろん報酬単位としては決して高いものではなく、これによって在宅医療を急速に展開していくことは現実的ではありません。また、そもそもオンラインで対面での在宅医療を代替することは難しいと言えます。ただ、オンライン服薬指導が認められることで在宅医療の選択肢は広がると言えるでしょう。
ここからは在宅医療においてオンライン服薬指導という選択肢がとりうることができるようになる意義についてお伝えします。

2. 介護報酬でオンライン服薬指導が算定できるようになる意義とは?

まず、在宅医療においてオンライン服薬指導を導入することによるメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。

2-1. オンライン服薬指導導入によるメリット

まず、薬剤師の生産性向上が挙げられます。在宅患者の対応をする場合、実際の患者対応の時間に対して、患家までの往復の移動時間の方が長いといったケースは多いのではないでしょうか?また、在宅対応を行っている間は店舗対応が手薄になってしまうため、店舗の営業終了後に在宅対応をしているという薬局も多いかと思います。このような状況下でオンラインを適切に活用することによって、薬剤師が店舗対応をしながら効率よく在宅対応も行うことができるようになります。昨今の状況では薬剤師の確保もなかなか厳しく、人件費も安くありません。オンライン服薬指導を導入することによって、そのような貴重な薬剤師のリソースを有効活用することが可能となります。

2-2. オンライン服薬指導導入によるデメリット

一方でデメリットもあります。
大きく2点あり、1点目は対面ならではの情報取得・対応が難しい点です。在宅対応を実際されたことのある方ならおわかりなるかと思いますが、実際に患家を訪問することで得られる情報もあります。例えば患者様の生活環境やバイタルサイン、正確な残薬の種類、数量などが該当します。また、お薬カレンダーのセットや残薬の回収等はオンラインで支援することはできません。
2点目は、スマートフォン、PC等のデバイスを扱える患者が少ない点です。オンライン服薬指導を行うにあたっては、得られる情報量の観点から基本的にテレビ電話を用いて実施します。しかし、そのためにはスマートフォン、タブレット、PC等のデバイスでテレビ電話を接続する必要がありますが、在宅介護を利用されている患者はご高齢の方も多く、そのようなデバイスをお持ちになっていない、扱うことができないといったケースが多いのが現状です。

2-3. 想定されるオンライン服薬指導の活用ケース

さて、在宅医療におけるオンライン服薬指導のメリット・デメリットをお伝えいたしましたが、ここからはどのような場面で活用することができるのかをご紹介いたします。
その前に前提として、オンライン服薬指導はあくまで対面の補完的役割を果たす手段である点にご留意いただければと思います。経済的観点からも実務的観点からも全てをオンラインで置き換えることは難しいです。例えば、月2回対面で訪問していたものを、そのうち1回をオンラインに切り替える、といったイメージでご活用が可能だと考えられます。オンラインという選択肢によって、今まで実現することのできなかった形で在宅医療を提供することができる可能性が出てきたものとご認識いただければと思います。
様々な活用方法があるかと思いますが、ここでは前述したメリット・デメリットを考慮し、2つほど活用方法を例示させていただきます。 

(1) 非薬剤師スタッフによる訪問・薬剤の配達

非薬剤師スタッフが実際に患家を訪問し、薬剤の配達、お薬カレンダーへのセット、残薬の確認、バイタルサインの測定、デバイス操作のサポート等を行います。そうすることで薬剤師は店舗で業務を行いながら、在宅対応も同時に行うことが可能となります。
薬剤師の直接訪問とオンライン対応とで提供するサービスの質を保持するためにも、非薬剤師スタッフの育成が必要不可欠であると考えます。

(2) 同居しているご家族(お子様)による支援

薬の配達は宅配業者に依頼し、お薬カレンダーへのセット、デバイス操作のサポート等を同居しているご家族(お子様)にご対応いただきます。ご家族による支援は、通常の外来でオンライン服薬指導を行う際にも実際にご活用いただいているケースです。ただし在宅医療の場合はデバイスの操作以外の支援も必要であるため、事前に対面で訪問した際に、オンライン服薬指導で居宅療養管理指導を行う場合の対応事項について、ご家族に説明していただくことが必要です。

おわりに

今後在宅医療の需要は伸びていきますが、一方でそれに合わせた薬剤師の増加は期待できません。そのため、今後は更なる薬剤師の生産性の向上が求められていくと考えられます。そのような中で、オンライン服薬指導を一部導入することによって業務効率化を図るといった選択肢も検討してみてもいいかもしれません。
 
■出典
厚労省資料(R3.1.18)令和3年度介護報酬改定の主な事項について
厚労省資料(R2.10.22)居宅療養管理指導の報酬・基準について(検討の方向性)

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