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服薬情報等提供料の患者同意を得るために意識すべき2つのポイント

2022年07月22日

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こんにちは、Pharms事務局です。
当記事では、服薬情報等提供料の患者からの同意を得るために意識すべきポイント2点について紹介しております。

1. はじめに_服薬情報等提供料の算定ハードルは、患者様の同意を得ること

服用期間中に発生した有害事象について処方医へ報告することで算定ができる「服薬情報等提供料」。地域支援体制加算の要件や地域連携薬局の認定基準に含まれるなど必要性が増しており、10,000件あるPharms導入薬局においても、算定に向けた取り組みを強化する動きがあります。

しかし、患者様の負担が増えるため算定に躊躇する方は多いのではないでしょうか。また、トレーシングレポート提出後の処方元の医師の反応が気になり、提出はおろか作成さえも気が進まない薬剤師が多いとも聞きます。

本記事では、トレーシングレポートの作成を推進する薬剤師の声を参考に、服薬情報等提供料を算定する際に必要な「患者様への同意取得」のために意識すべき2つのポイントについてご紹介します。

なお、本記事は患者様から同意を得るためのトークテクニック等をご紹介するものではないことを予めご容赦ください。

2. 服薬情報等提供料の患者同意は服薬フォローアップ時に取得する

トレーシングレポートの作成タイミングとして最も多いのは、服用期間中に患者様から有害事象のご連絡があり、それを処方医へ報告する必要性を感じた時ではないでしょうか。そしてそれは、患者様からの相談に厚意で応えたものであり、かつ投薬した薬剤師として当然のことをしたまでであるため、点数を算定することに躊躇してしまうのではないでしょうか。

これは、医師へのトレーシングレポートを提出するきっかけが、患者様が知らせてきた有害事象であり、薬剤師として事象検知のために動いたわけではないからであると考えられます。

一方、患者様からの同意を得る薬剤師は、有害事象発生の連絡を待つのではなく、それを検知するための服薬フォローアップを積極的に実施しています。
加えて、「なぜあなたに服薬フォローアップをおこなうのか」について説明をおこない、服用期間中にご連絡すること / 必要に応じて医師へフィードバックすることを、投薬時の服薬指導をおこなうタイミングで同意を得ています。

つまり、薬物療法の改善に繋げることが投薬した薬剤師の責務であり、そのための服薬フォローアップを実施することと処方医への服薬情報提供は薬局が提供する医療サービスの一環であると患者様に理解してもらうことを可能としています。

Pharms導入薬局については、患者様へご意向を伺うアンケートを用意したり、まずは対象薬剤等を決めた上で「なぜその患者様に服薬フォローアップをおこなうのか」という目的設定をすることを、体制構築のための最初の取り組みとしています。

実際に最初の取り組みとして、Pharms導入薬局様がお使いいただいている資材を一部ご紹介!
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3. 医師が求めるトレーシングレポートを出さなければ、患者様の同意は得づらい

服薬情報等提供料を算定するためには、言わずもがなトレーシングレポートを処方医へ提供することが必要です。しかしながら、トレーシングレポートが注目される中で医師からの「投薬時の服薬指導の内容の伝達に留まる」「薬物療法の改善に寄与しないようなトレーシングレポートが増えている」などのネガティブな意見も聞かれるようになりました。

処方医への服薬情報提供は、薬局が提供する医療サービスの一環であると患者様に理解してもらうためには、薬剤師が治療に関与していることを患者様が実感することが重要です。
つまり、治療への貢献性が高いトレーシングレポートを作成しなければ、患者様からの納得は得づらいと考えられます。

実際に、クリニックの医師や院長に「欲しいトレーシングレポート」について聞いたところ、下記の3点が共通して挙げられました。

  • アドヒアランスの改善
    • 剤形や薬物動態を考慮した提案をおこない、治療離脱防止に貢献する
  • 安全な治療の実施・継続
    • 対象薬剤の副作用を報告することで、処方カスケードを未然に防止する
  • ポリファーマシーの解消
    • 他科での同効薬の処方や残薬の共有により処方内容や日数の検討に繋がる

より具体的なトレーシングレポート事例をご紹介!
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また、薬物療法への貢献度を高めることが患者様だけでなく処方医との関係性の強化にも繋がると、多くの薬局よりお声をいただいています。

4. まとめ_服薬情報等提供料の患者同意を取得するために

処方医へのフィードバックは薬局が提供する医療サービスの一環であると患者様に理解してもらうことが、同意を得る上で重要となります。

そのために、下記の2点を意識することがポイントです。

  1. 薬物療法の改善に繋げるために服用期間中の状況把握をおこない、必要に応じて医師へフィードバックをすることを患者様に理解してもらう
  2. 薬物療法の改善に繋げるためのトレーシングレポートを作成・提出することで、薬剤師の治療貢献を患者様に実感してもらう


患者様の有害事象を能動的に検知するためには、服薬フォローアップが必要であることは上述の通りですが、調剤業務等が忙しく十分な服薬フォローアップを実施することは難しいと、よくお聞きします。しかし今ではシステムを使って実施できる方法も増え、服薬フォローアップの業務効率化が実現できるようになったため、それらの活用を検討してみても良いかもしれません。

しかし、簡便に服薬フォローアップができるようになった際の弊害もあります。
「算定のための服薬フォローアップ」「算定のためのトレーシングレポート提出」など、本来の意義とは異なる目的を持ってしまうと、薬局が提供する医療サービスの一環であると患者様から理解を得られないだけでなく、患者様との関係性に悪影響を及ぼす可能性もあります。
そうならないためにまずは「誰の何のための服薬情報提供なのか」を改めて考えることが重要と言えそうです。


本記事の執筆者

株式会社メドレー Pharms事務局
調剤薬局の皆さまに向けて、法制度やトレンド情報の解説などのお役立ち情報を、薬局様からのリアルなお声も基にし発信しております。
Pharmsは全国13,000店舗以上の調剤薬局にご導入いただいており、患者や医療機関との繋がりを強化し選ばれ続ける薬局に向けたご支援をしております。

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